(スタッフ)
製作=大映(東京撮影所)
企画=中島源太郎
原作=梶山季之
撮影=中川芳久
音楽=池野成
美術=山口煕
録音=渡辺利一
照明=泉正蔵
編集=中静達治
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(コメント)
○コントラストの強いモノクロと刺激的な音楽で、ぐいぐいと話を押していく。高松が演じる部長の会社を一流の自動車会社にしたいという思いと新車のスポーツカーに賭ける思いの強さで、企業戦士、産業スパイとして、新設した課をひっぱっていく。そのチームの中心に田宮がいる。
○このころ、すでに企業戦士や産業スパイが登場していることに、ちょっと驚くが、やはり、戦後を引きずっていて敵には、関東軍出身のつながりを利用したやり手がいる。これが、菅井一郎である。まさに、適役であり、溝口、小津映画などを髣髴させる亡霊のようである。この菅井に勝つためには、尋常なやり口では、勝てない。高松は、まさに、脅迫、暴力、女、金、騙すなどさまざま手だてを講じていく。しかし、味方の「スパイ」や「二重スパイ」などの出現で窮地立つ。泥仕合を呈する。ここで、田宮は目覚める。恋人の叶からも許され、小さな会社に勤めてやり直すことになる。ここでも、増村は海辺でくつろぐふたりを撮っている。「くつづけ」「妻は告白する」とちょっとニュアンスが違うが、ここでは、信頼を回復しあったふたりが確認する場面になっている。こうしたストーリーは、このあとの増村映画にもあるが、破滅への道と貧しくても地道に生きる道が交差する展開になっている。(01.3.17) |
(キャスト)
田宮二郎
叶順子
船越英二
高松英郎
公開年月日:1962.7.1
映画館:横浜シネマ・ジャック「日本映画大全集Part3」「若尾文子と増村保造」
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