（スタッフ）

製作＝大映(東京撮影所）　
製作＝永田雅一

企画＝原田光夫

撮影＝中川芳久

音楽＝池野成

美術＝間野重雄

録音＝橋本国雄

照明＝泉正蔵

編集＝

（コメント）

○どうしても、若尾文子に期待しているところがあると、まあ、正直に言っておこう。これは、今年の３月に、このシネマ・ジャックで「増村監督特集」を見ており、その多くは若尾文子が主人公を演じていることとにも影響しているだろう。

○吉村公三郎作品をいくつかリメークしている増村監督との関係と新藤兼人脚本による秀作が増村監督にあるということ、増村監督作品では「女の一生」に京マチ子が、主演していることなどなどと思いをめぐらせ、さらに、この映画で語る京マチ子の極貧の境遇について聞かされたときに、どこかで聞いたなと感じて思い出したのが、内田吐夢の「飢餓海峡」。極貧の生活から身を売って生きざるをえないという現実を人間の歴史は刻んでいる。

○女の体を武器にも使い、のし上がっていくすさまじさは、吉村＝新藤コンビから、日本映画は、始まりと書いて、気がついた。その前に溝口健二＝依田義賢コンビがあり（「浪花悲歌」「祇園の姉妹」「祇園囃子」など）、その溝口に師事したのが新藤兼人であることに思い当たる。

○しかし、これらの吉村作品が傑作とならないのは何故か。どうして傑作と呼べないのか。映画の女性ヒロインを思う。

○あえて、ここでは、根上、菅原、船越の頼りない男を演じているうまさと、書いて、そうか、絶対に忘れてはいけないのは、二度登場する場面がある浪花千栄子の吸いかけの煙草を持った手を震わすなど、迫力ある熱演である。これだけ見てもこの映画の価値はある。トータルとしての映画はどうも、どこかうそっぽいのだが、と言ってみる。（2001.11.3）

（キャスト）

京マチ子
若尾文子
根上淳
船越英二
菅原謙二
浪花千栄子

公開年月日：1958.10.15

映画館：横浜シネマ・ジャック

�ﾏどうも、はっきりしない文章だが、読み直した本人には少しずつ、この映画の各シーンを思い出すことができる。溝口、新藤、吉村、増村の日本映画の連鎖を思う。ここに、大映の永田雅一とその撮影所のスタッフの存在も浮かび上がってくる。（2002.2.21）