（スタッフ）

製作＝東宝/藤本真澄　金子正且

撮影＝逢沢譲

音楽＝武満徹

美術＝中古智

録音＝藤好昌生

照明＝石井長四郎

編集＝大井英史

（コメント）

○成瀬の遺作ということや武満の音楽、司葉子の主演となんだか、見るのを楽しみにしていた。

○カラーの色がうまく残っていないということがあって残念だが、若い夫婦が、外のレストランで落ち合うまでを、病院に寄る司、官庁をでる夫の土屋、歩いて出てくる。店に向かう司というように、細かくカットを重ねていく。ワシントンへの赴任が決まったこと、通産省の役人であること、妊娠３ヶ月であること、今日は土曜日だけど、仕事に箱根まで上役について行くこと、などか語られている。司は、姉夫婦の家に、報告がてらに出掛けて、ご馳走になる。姉の夫の藤木が、食事の後かたづけしながら、残ったビールを飲もうとして、こどもを見て、躊躇するなどという細かいシーンがあって、事故の電話が入る。司の夫が、箱根で車に跳ねられ、死亡したことが告げられる。

○葬式、加害者の加山との対面、不可抗力として加山は無罪、道義的責任から加山は、月々１万５千円を送る契約を結ぶ。ここまで、司は、加山に対する憎しみや年金（結構、細かく知らされる）支給を受けたり、仕事を探したりで、嫌な顔することが多いこともあるのだが、魅力が出ていないのは、演出なのだろうが、加山と和解し始めたころから、良くなる。こうなると加山さんは、どうも、軽身の演技が上滑りしてまうのが気になる。音楽の武満は、軽い叙情性あるメロディーも悪くない。

○商社の裏側などにも触れながら、加山は、仕事を超えて、大切なものを見つけ、司は、姉の旅館に身を寄せながら、加山に心を開いていく。ふたりの心は重なる。しかし、「事故」の悪夢から逃れるのは簡単ではない。（2001.2.24）

（キャスト）

司葉子　
加山雄三　
草笛光子　
森光子　
浜美枝　
加東大介　
森光子　
土屋嘉男　
藤木悠

公開年月日：1967.11.18

映画館：横浜シネマ・ジャック「日本映画大全集Part2」「男優と女優」