(スタッフ)
製作=大映(東京撮影所)
製作=永田雅一
原作=山崎豊子
撮影=宗川信夫
音楽=池野成
美術=間野重雄
録音=奥村雅弘
照明=柴田恒吉
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(コメント)
○当時見ているかどうか、うまく記憶はたどれなかった。当時、原作も映画もテレビも話題だった。しかし、われわれの周辺では、映画としての評価はよくなかった。
○今回見て、まあ、なかなか、いろいろと興味深いものがあった。まず、猟銃で自殺というショッキング死を遂げた俳優・田宮二郎の存在だ。「悪名」コンビの田宮ではなく、増村映画での野心家・田宮だ。どうも、共通しているのが、貧しさやヤクザから、のし上がるといった役どころだ。
○滝沢修の演技の恐さは凄い、そしてその貫禄も印象に残るが、東野の寓直な教授役、船越の気の弱さなど、それぞれに適材を配置していた楽しませる。また、リアルな手術シーン。これには、隣で見ていた老人に声をだして、嫌だなーといわせるぐらいリアルであった。
○橋本忍のシナリオ。裁判シーンの組み立てや教授会の選挙と患者の死までの展開を平行して見せるという、まあ、得意な組み立ては、うまいということなのだろう。
○まあ、こういう映画があってもいいのだが、「戯画化された人間たち」を「悪」として描き、このままではないが、現在も、似たり寄ったりの「人間社会」を告発しているということだが、どうも、映画としての魅力や豊かさがないということは、やはり、致命的ではないか。この点が「悪い奴ほどよく眠る」などの黒澤映画と違うところだ。一流の演技やストーリーやシナリオ構成だけでは、映画にはならないということか。(2001.2.18) |
(キャスト)
田宮二郎
東野英治郎
滝沢修
船越英二
小川真由美
田村高広
藤村志保
公開年月日:1966.10.15
映画館:横浜シネマ・ジャック「日本映画大全集Part2」「男優と女優」
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