(スタッフ)
製作=「バトル・ロワイヤル」製作委員会
配給=東映
企画=佐藤雅夫/岡田真澄/鎌谷照夫/香山哲
原作=高見広春
撮影=柳島克己
音楽=天野正道
美術=部谷京子
録音=安藤邦男
照明=小野晃
編集=阿部浩英
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(コメント)
○見る前に、あった予告編で、北野武の「ブラザー」がアメリカで撮影され、衣装が山本耀司で黒、ただの黒じゃないよ、みたいで、やたらかっこよく、映像もシャープだったことに、気を取られながら、「バトル・ロイヤル」が始まった。だから、ここでのバイオレンスは北野映画に比較されてしまう宿命を持たざるを得ない。ビートたけしが先生役で出ていることは言うまでない。映像としては、ムラがあって、決してシャープさだけでないが、よく健闘していたようにも感じられた。
○どうしようもない設定から、どんな映画にしていくのかという興味が持続しながら、ひとりひとりの武器や武器ともいえない荒唐無稽な道具もあったりで、笑わせる。そんなかで、中学生たちは、どう考えて、行動して行くのかという興味が残酷な殺し合いという設定を越えて展開していくあたりから興味が深くなっていく。つまり普段どう思ってどう生きてきたのかということが当たり前に問われ、たかだか十四、五年の生を全うすること迫られてしまう。少し、時間経っているために、記憶があやしいが、暴力を否定し、このゲームに参加せずに、自死をえらんでいくもの、殺し合いにただ勝ち抜こうとするもの、みんなでやっていこうと呼び掛けるグループや共同体的暮しを家族的に運営しながら生き延びようとするグループ、コンピュータで生命線を握らていることから、ホストコンピュータをハッカーとして潜入し、破壊を企てるとともに、70年代の東アジア解放戦線「腹腹時計」教書で爆弾づくりをおこなうグループなどが登場してくる。これに、男と女などの人間関係の愛憎と猜疑心がからみ、自滅したり、同士討ちで終わるという結果を招いていかざるをえない宿命をうまく描いていく。
○革命なんて考えてもみたことない「人生」をいきながら、いきなり生死が賭けられ、勝手につくられた法律、国家や親などと対峙させられたとき、自死を選ぶのではなく、生きるしたら、人を殺すことを目的や手段としない「かくめい」者になるしかないのだと、深作監督はいっているのだ。それは、「愛する人」を守るためのであり、それは、年齢も超えて、生きることの真実を、生きているか、と問われている。
○感度のいい人間は、この映画を見て、今の生活や人生を振り返ることになるだろう。
○もっとカッコイイ、ラストがあってもよかったと思う。このラストの背景は、60年代後半へのノスタルジーを感じてしまうのは、私だけではないだろう。未来型としての新たな展開でなければならないはずだ。
○深作監督作品では、「里見八犬伝」(薬師丸ひろ子と真田広之)を思い出していた。だから、一日も早く、もうひとつ骨太で大人の映画を撮らせなけれならない。
○15歳未満以下は見られないことが、かえって話題になっことからも客が入っているともいえるのだろうが、肝心の中学生たちに見せないでどうするつもりかね。(2000.12.26) |
(キャスト)
ビートたけし
藤原竜也
山本太郎
安藤政信
柴咲コウ
栗山千明
公開年月日:2000.12.16
映画館:横浜・伊勢佐木町東映
マ北野武監督の「ブラザー」は、いまだに未見だが、いまでは、どうも、予告編以上の映画にはなっていなかったかという気がしている。でも、北野作品には毎回期待する気持ちは大きい。評判を聞かずに見たいものだ。いま、ベネチア映画祭に出品した作品のできも気になるところだが、どうも、国際的評価が先にあってから、日本上映という展開は何とかならないのか。(2002.9.8)
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