（スタッフ）

製作＝にっかつ

製作＝海野義幸

企画＝成田尚哉

原作＝石井隆

撮影＝水野尾信正

音楽＝泉つとむ

美術＝柳生一夫

編集＝鍋島惇

（コメント）

○石井隆の漫画が原作で始まったシリーズ２作目。なんとなく「見落としていた」という思いがあって見に行く。ポルノ雑誌の編集者村木哲郎と集団で現実に犯され、ブルー・フィルムに登場する名美。フィルムの中の彼女に惚れた村木は、名美に運命的な出会いをする。

アウトローとして裏社会に生きざるをえない村木の目の前に、さらに陰惨な宿命を生きて、汚辱にまみれる名美の現在が広がる。ここから名美を救い出したいと懇願するが、名美は、自虐をつきぬけ、泥沼に深く沈んで行こうとする。

○セックスを生きることの「むなしさ」「やりきれなさ」の代償として描き、ハードに性欲と暴力を生々しく展開して見せる。自暴自棄を徹底させることでしか生きられない存在として、名美には「救われる」退路さえ残されていない。

ここに、この時代の表面的な「繁栄」への「苛立ち」が精神的な鬱屈として反映し映像がささくれだっている（もう少し、詳細にあたってみる必要があるが）。

○この「天使のはらわた」シリーズは、７８年（曽根中生）、７９年（本編）、８０年（田中登）、８１年（池田敏春）と続き、にっかつロマン・ポルノは終焉へと向かうのだが、ここらの記憶も不明、熱心な観客ではなかった。（８８年、９４年に石井隆自身が監督（未見）、ここらと「ピンク四天王」（これらも未見）とのかかわりは？）

○映像的には、教室の廊下だけを赤く塗って見せたり、構図的工夫や実験的なカット見られる（名美を追うようにバーに入り込む村木、ラストのロングショットと汚れて水たまりにはまっていく名美を転倒させるキャメラ）。（2000.12.13）

（キャスト）

水原ゆう紀
蟹江敬三

公開年月日：1979.1.6

映画館：横浜シネマ・ジャック