（スタッフ）

製作＝ウィリアム・ホルバーグ　トム・スタンバーグ　

製作総指揮＝シドニー・ポラック

原作＝パトリシア・ハイスミス

撮影＝ジョン・シール

音楽＝ガブリエル・ヤレド

衣裳デザイン＝アン・ロス　ゲイリー・ジョーンズ

プロダクション・デザイン＝ロイ・ウォーカー

（コメント）

○ルネ・クレマン監督の傑作「太陽がいっぱい」（1960）と同じ原作を、いま、ハリウッドで考えられる最高の出演者を集めての映画化だけに、大いに期待された。しかし、どうも、だめな映画になっていた。マット・ディモンがどうも、ちがう。パルトロウも本領を発揮するまでいかない、これもちがう。ジュード・ロウだけは、こちらに先入観がないだけにうまく嵌っている。

　ひとことでいえば、1950年代の後半をいま描いてどうしたいのかということがわからなかった。リプリーの切実さが伝わってこなかった。パルトロウに魅力が感じられない。ディッキーの生活をうらやむリプリーの気持ちもわからない。映画的な展開として、キャメラが遠景として捉えている場面がないことで、リプリーの閉塞感と息苦しさだけが残った。

○原作にあるのかわからないが、スペイン広場のカフェテラスの１５分のずれの二つの約束で、死んでいるディッキーを存在させた展開には、感心させられた。（2000.11.23）

（キャスト）

マット・ディモン
ジュード・ロウ
グウィネス・パルトロウ
ケイト・ブランシェット

製作年：1999

映画館：横浜日劇