（スタッフ）

製作＝松竹（大船撮影所）

企画＝佐々木孟

原作＝きだみのる

撮影＝長岡博之

音楽＝黛敏郎

美術＝浜田辰雄

照明＝小泉喜代司
　　
録音＝大村三郎

（コメント）

○ 渋谷実監督といってもうまく思い出すものがないが、社会的風刺と喜劇性を織り交ぜた作品である。役者に影（森繁が案内役として）からの声（観客）に答える手法が使われが、監督が方法的に意識的であるというより、脚本（菊島）によるものと思われる。

こうした方法は、客観性をもたせるが、映画の流れを止める欠点もあり、映画における真実や嘘、作品のリアリティーなど根幹に関わるものであり、必ずしも、成功していたとは言い難いが、役者の演技も充実し、当時の日本の村社会の構造や因習、考え方をうまく描いている。

○わたしたちは、こうした因習を嫌って「東京」へ出ていった多くの若者を知っている。こうした村社会を「気違い部落」といい、結核の娘の死と親子だけの葬儀へと悲喜劇は幕を閉じる。（2000.4.2）




　

（キャスト）

伊藤雄之助
淡島千景
水野久美
山形勲
石浜朗

公開年月日：1957.11.26

映画館＝横浜シネマ・ジャック「さよなら松竹大船撮影所」（2000.3.25-5.19）