（スタッフ）

製作＝フランク・ダラボン

原作＝スティーブン・キング

撮影監督＝デヴィッド・タッターソール

音楽＝トーマス・ニューマン

美術＝テレンス・マーシュ

（コメント）

○スティーブン・キングの原作で「ショーシャンクの空に」と同じ原作・監督作品となる。３時間８分の大作で、はじめの１時間は、やや退屈である。

今日は見る環境としては、馬車道「スカラ座」でゆったりした席も確保して最高であったが、この１時間はまてよ、こんなはずでないと思わせておいて、この黒人の大男コーフィになにやら、不思議な力があると解ってきて俄然おもしろくなっていく。

○最低の同僚の男ハーシーや殺人犯であり真犯人でもある男が、キングならではの人間であり、憎むべき悪人であるが、どこか子供じみておりかつ汚らしく汚物にまみれ、口汚く罵る虚勢をはったいいまわしも憎めなくなってくる。

この殺人犯はチョコクッキー口いっぱいにほおばって、近づく看守に吹きかける。こどもの悪戯なのだ。「スタン・バイ・ミー」を思い出させる。

○この刑務所には「奇跡」をからめて、こどもたちの空想の世界、つまり看守たちの夢の世界が立ち現れているのだ。それは、所長の奥さんの病気を治すために夜中にコーフィを連れ出すところに端的にあらわれている。

○「愛し合う人を利用して殺人を犯す、それは世界のどこにも起きている」とコーフィーはいい、無実のまま電気椅子に向かう。看守たちは涙を浮かべて死刑を執行する。キング的世界と「奇跡」を内容とする映画として大いに楽しめる。（2000.3.27）






　

（キャスト）

トム・ハンクス　
マイケル・クラーク・ダンカン

公開年月日：1999

映画館＝横浜東宝会館「スカラ座」