（スタッフ）

製作＝松竹（大船撮影所）

製作＝白井昌夫/坂井禅互

原作＝檀一雄

撮影＝成島東一郎

音楽＝芥川也寸志

美術＝熊谷正雄

編集＝

照明＝加藤政雄　　

録音＝木村三郎

（コメント）

○シネマ・ジャックで「さよなら松竹大船撮影所」がはじまった。できれば、全部見たい気がするがそうはなかなかいかないだろう。

ひとつの撮影所としてみる視点は新しいし、そうした視点で見ることはなかったこともあり、貴重な映画の見直しになるという期待もある。

いままで、その撮影現場を見ることもなかったが、横浜市磯子区の住民にとっても「大船」に撮影所が無くなるのは本当に惜しい。

○さて、この映画は気持ちのいい映画だ。これは、原作にあるのかもしれないが、「人間が人の命を助けることに夢中になることで何かを発見し、意固地な自分から逃れて生き直すことができるきっかけを得ることができる」というようなことを言っている。

○新珠三千代がいいし、津川も田村も初々しくていい。新珠と田村の素朴な恋愛のやりとりが丁寧に映像化されているし、ラストの一本道を走り出している田村を、追いかける一郎（息子）とのやりとり、追いつく新珠、叫ぶ新珠とロングショットで捉え、この三人がうまく和解していく展開は映像的だし、見事だと思う。

○撮影所としては、この新珠の「住まいと飲み屋ののんきや」の二階屋のセットに注目すべきだろう。ここでは、もと夫の伴淳三郎がもどってきて暴れるシークエンスをうまく支えていた。（2000.3.26）

（キャスト）

新珠三千代　
津川雅彦　
田村高広
謝春国
伴淳三郎

公開年月日：1962.9.1

映画館＝横浜シネマ・ジャック「さよなら松竹大船撮影所」（2000.3.25-5.19）