イタリア/フランス

（スタッフ）
製作＝ゴッフリード・ロンバルド　

撮影＝ジュゼッペ・ロトゥンノ　

音楽＝ニーノ・ロータ
　

（コメント）

○ビデオで見る。１８６０年のイタリア・シチリア島が舞台。貴族のバート・ランカスターの一族が「山猫」と呼ばれ、伝統的に歴史的にも実権を持っている。革命軍や共和制への移行など混乱する時代の流れをよく見極め、先を見ながら、苦渋に満ちた決断を迫られる。

思慮深く、踊りも上手く、二枚目である貴族をはまり役として演じているバート・ランカスターが素晴らしい。アラン・ドロンも若々しくていいが、初々しさもある恋人役のクラウディア・カルディナーレとともに、主人公を引き立てている。

○今にも消え入りそうに具合が悪いといいながら、汗をハンカチで拭いながら、舞踏会会場を彷徨う如くに立ちつくし、歩く。彼女とのワルツ挟みながら、宴会を終えて帰路、いい空気を吸いたいと馬車を断り、一人歩く。街なかの路上にひざまずき祈る。そして、暗い路地へと消えていくラストシーンがいい。

○しかし、ドロンたち恋人同士が広い屋敷の部屋部屋で戯れるシーンを除くと他のシーンにはあまり感心はできなかった。

○最後の華やかで賑やかな舞踏会と主人公の心象のギャップをうまく描いていて、うまいと思う。こうした男の孤独な悲哀は嫌いではない。あたかも新しい時代に担ぎ出されたとしてもその新しさはすぐに気ままに古ぼけてしまう。

○いつの時代にも変わらぬ宿命として老いと死がやってくる。おっと、これを語るにはまだちょっと早いか。（1999.11.6）

（キャスト）

バート・ランカスター　
アラン・ドロン
クラウディア・カルディナーレ

製作年：1963