（スタッフ）

製作＝クロード・シャブロール

撮影＝アンリ・ドカエ

音楽＝ポール・ミスラキ

（コメント）

○見るのははじめてだ。話は聞いている。主人公たちが23歳で恋人は20歳。監督は29歳。若い映画だ。もちろん若々しい映画ではなく、若いために若くない青春を生きる。

自堕落で放蕩を尽くすが、結構子供っぽいという印象とパリという猥雑さがもっとあってもいいし、知的な遊戯にはなっていない。それをモーツアルトの三十九番とワーグナーの「ワルキューレの騎行」などの曲がかろうじて知的に装う。

　
○マザコンの主人公は、いとこポールを撃てずに、偶然ポールに撃たれるという運命と結末は、オートプレーヤーの針が浮いて戻って「ＦＩＮ」となり、なかなか当時としては洒落ている。三人の同棲生活というやりきれない話を意欲的に展開し、よく描いている。

○大胆な日光浴シーンやシャワーのシーンが、主人公を責め立てる。しかし、勉強に没頭する主人公。不合格から最後の惨劇へと繋ぎ、映画が若いからこその映画として歴史に残った。キャメラの手持ちから揺らいでやや俯瞰ぎみに止まる。安定した画面だ。キャメラを三百六十度回転してみせたりもする。スタンダード、モノクロ。（1999.6.15）

（キャスト）

ジェラール・プラン
ジャン＝クロード・ブリアリ

制作年：1959

映画館＝横浜・関内アカデミー2「ヌーヴェルバーグ40年」