（スタッフ）

製作＝大映

製作＝池田哲也

企画＝武内健

プロデューサー＝土川勉　木村俊樹　帳華坤

撮影＝李似須

音楽＝遠藤浩二

録音＝川島一義

照明＝謝文興

編集＝島村泰司

（コメント）

　自分の子供だと言われて、置いて行かれた少年は、言葉を失っていた。台湾のその少年に向かって日本のやくざであり、殺し屋でもある哀川がいう、「媚びるんじゃねえ」。少年は哀川の後をついて歩く。殺人現場にも、どこにでも。雨の中、犬のように暮らす。レイニィー・ドックは少年のことだ。
　夢を叶えてやろうと思った。この雨ばっかりの街から逃げ出したいという娼婦リリィと少年チャンと哀川の３人の短い逃避行。駅が塞がれ、ボスにも裏切られた逃避行。リリィも哀川も少年の目の前で殺される。兄を殺された仕返しをする弟に、「おれはこの街にずっといる。強くなって仕返しにこい」と少年チャンに告げて去る。
　逃避行中、スクーターを海岸の砂浜から掘り出し、３人がスクーターに乗っているシーンがいい、これが映画の夢の実現なのだ。兄と弟。親と子。親分と子分。子供に託した再生のものがたりか。「媚びるんじゃねえ」の一言と少年の表情が生きている。(1998.8.11)

（キャスト）

哀川翔　
高明駿　
田口トモロヲ　
陳仙梅　

公開年月日：1997.6.28

映画館＝館内アカデミー2「日本インディーズ映画展」