（スタッフ）

製作＝大映（京都撮影所）

企画＝辻久一

撮影＝今井ひろし

音楽＝古谷充

美術＝大田誠一

照明＝伊藤貞一

録音＝林土太郎

（コメント）

　森一生には、市川雷蔵とのコンビで、「ある殺し屋」「薄桜記」などの傑作があるのだが、この映画は、いうなれば、シナリオの藤本義一が悪いのだという言うしかない。

まあ、冒頭から鮮明な映像で、セットを組んでの盛り場を再現しているのだが、これの効果と意味が感じられない、このあたりのセンスは、監督のものだろうが、話が陳腐あって、小雁や蝶々さん、坂本スミ子とおもろい脇役だが、生かし切れていない。リズムに乗れていない。

スリから薬屋になったなんていう洒落や田宮のいう洒落も笑えなかった。そうか、大阪志郎の刑事に、落ちぶれてもサラリーをもらうような身分にはならないと啖呵を切る田宮も、それ以上は不発に終わってしまう、そんな、どうしょうもない映画になってしまった。

金井克子の歌と踊りも、そこだけ浮いているということで、話は進んでいってしまうし、弟の敵討ちなんていう草笛光子もつまらない役だ。まあ、撃ち合いシーンには、工夫があるのだがと言ってみるが、シナリオが悪過ぎる。（2001.6.16）

（キャスト）

田宮二郎　
金井克子　
草笛光子　
芦屋小雁　
ミヤコ蝶々　
坂本スミ子

製作年：1965

映画館：横浜シネマ・ジャック「20世紀の日本映画大全集/監督編《前期》」