（スタッフ）

製作＝大映

原作＝司馬遼太郎

撮影＝宮川一夫

音楽＝佐藤勝

美術＝西岡善信

録音＝大谷巌

照明＝中岡源権

編集＝谷口登司夫

（コメント）

○この中村錦之助は、際どいところだが、上手い役者であることを印象づけ、見るものの多くに共感が持たれる役回りであろう。また、弟の中村賀津雄も、藤吉郎をうまく演じ、ふたりのやり取りも絶妙である。まあ、勝新太郎の信長は意外性にあるのだろうがどうだろう。うまくはまってはいない。

○女好きであるという雑賀孫市を嫌みなく演じる錦之助。取り巻く女たちと足の素足に惚れた孫市の相手が、栗原小巻で、藤吉郎の妻のねね役が梓英子なのだが、とくに、小巻に花を銜えさせて、輝くように映し出しす川縁のシーンなどもあり、気持ちよくリズミカルに女性たちを躍動感をもって描いてみせるあたりは、三隅＝宮川コンビの力を感じたし、踊りながら、雑賀衆が射撃の技を見せる場面や理詰めの戦闘シーンには、菊島隆三のシナリオ構成の力をうまさを感じた。

○まあ、内容は、孫市と信長の対立、孫市と藤吉郎との友情、孫市の宗教観など、反骨精神と自由な庶民的感覚など司馬さんのねらいだろうか。司馬さんの女性論はどうだろう？(2001.6.16)

（キャスト）

中村錦之助　
勝新太郎　
中村賀津雄　
梓英子　
栗原小巻　
本郷功次郎　
志村喬

公開年月日：1969.9.13

映画館：横浜シネマ・ジャック「20世紀の日本映画大全集/監督編《前期》」