（スタッフ）

製作＝松竹

撮影＝杉本正二郎

音楽＝

美術＝

編集＝

録音＝中村鴻一

（コメント）
○どうも島津監督を意識してこれを見たという記憶がない。きっと「京橋」のフィルム・センターで見ているはずだが思い出せない。当時としてはやはりシャレた喜劇に違いない。５６年には東宝でリメークしているというのだから、まあ、美男子を美男子として登場させて映画をつくるという発想とシナリオの構成がしっかりしているということだろう。この最後の落ちは、なんども似た話を見ているという印象だ。映画俳優のスターとして、上原謙、佐野周二、佐分利信が喜劇的役回りで登場し大いに笑わせる。これは、いま見ているわれわれのほうがきらくに笑えるのかも知れない。
○銀座のサービスステーションといっているが、女性用衣類のショールームに美男子の店員を置いて案内させてはどうかという社長のお嬢さんのアイデアでもって、就職難の折に、男性三人が採用される。舞台は、銀座の街、レストランでの食事、下町の下宿、横浜中華街の店、山下公園、社長の邸宅などで、当時の時代や関心がよく伺えるようにできている。
○社長令嬢との「恋」がまやかしであったことを知った三人は、身近な女性にもどって結婚する。この三通りの結婚の様子が、これも戦前の当時の典型であったのだと思われる。微笑ましい限りだが、佐野と三宅に見られる対等な関係などから、「戦争」という非常事態をくぐらなければ、日本の男女や家庭のあり方も、もっと気持ちもいい展開になっただろうにと思わせる。嫌みにならずに喜劇的展開を見せるのに成功している。（2001.4.29）

（キャスト）
上原謙　
佐分利信　
佐野周二　
高峰三枝子　
三宅邦子　
斉藤達雄

製作年：1937

映画館：横浜シネマ・ジャック「20世紀の日本映画大全集/監督編《前期》」