映画タイトル:巨人伝  監督・脚本= 伊丹万作 PAGE 71

(スタッフ)

製作=東宝/森田信義

企画=

原作=ヴィクトル・ユーゴ「レ・ミゼラベル」から

撮影=安本 淳

音楽=飯田信夫

装置=北猛夫

録音=片岡造

(コメント)
○伊丹監督の最後の映画作品になったものである。2時間7分の大作である。ヴィクトル・ユーゴ「レ・ミゼラベル」の翻案である。伊丹はゴルズワジーの「逃走」を「逃げ行く小平次」、モルナールの「リリオム」を「金的力太郎」と翻案した作品があり、評価を受けていたことを今回初めて知る。
○まあ、しかし、翻案物にはどうしても無理があるが、どうしても映画にしたいという意図がどうも最後までわからなかった。 
○原節子が若く美しい娘を初々しく演じている。英語教師とのやりとりには、ふたりの気持ちを英語で喋らせ、日本語字幕を入れるなどという工夫や夜のベンチでふたりが会って、「言葉はいらない」と見つめ合うシーンなど印象に残った。
○砲弾を放つシーンや戦火など戦闘シーンをかなり長く、丁寧に描いていることにちょっと驚く、結構金がかかっているというように見えた。荷車が倒され車が空回りするというシーンは「無法松」に繋がっている。
○1900年生まれ、46歳で死亡。「赤西蠣太」もそうか志賀直哉の原作があったこと、その映画表現ならでは試みが多く見られたことなど思い出す。しかし、この「巨人伝」では、映画としてなにをしたいのかわからなかった。(2001.4.26)

(キャスト)
大河内伝次郎 
原節子 

製作年:1938

映画館:横浜シネマ・ジャック「20世紀の日本映画大全集/監督編《前期》」

                         

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