（スタッフ）

製作＝大映（東京撮影所）

企画＝藤井浩明

原作＝梶山季之「夢の超特急」

撮影＝小林節雄

音楽＝山内正

美術＝下河原友雄

録音＝飛田喜美雄

照明＝渡辺長治

編集＝中静達治

（コメント）

○モノクロ。いきなり加藤大介が車を乗り付け、田宮二郎に話しを持ちかける。岡山にある桔梗不動産という小さな会社の事務所だ。土地の買収を依頼する。この映画は、田宮二郎が主役なのだろうが、圧倒的に加藤大介の映画になっている。役柄からいっても加藤が一枚も二枚もうえだ。こうなると、どうも、田宮の演技がへたくそに見えるのはどうしてだろうか。まさに、加藤、田宮、船越と三人の競演であり、船越もなかなかの味をだしている。

○不動産屋、料亭、マンション、東京の安宿、大きなビル中にあるオフィスなど、撮影、美術ともにうまく、いい映画にしている。黒澤映画を見ているようであり、日本映画の水準の高さを思う。

○加藤が女を殺すということから、田宮は「殺しまですることはない」と「正義感」に目覚める話しになっている。「殺す」背景には、黒い「政治家」の存在がある。
　しかし、この出演者すべてが同罪なのではないか。田宮、加藤、船越、政治家そして女、それぞれの思惑による「欲」を出したということで、女の死だけに同情がいくような描き方は、納得できなかった。（2001.3.20）

（キャスト）

田宮二郎　
加藤大介　
船越英二　
藤由紀子

　

公開年月日：1964.10.31

映画館：横浜シネマ・ジャック「日本映画大全集Part3」「若尾文子と増村保造」