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映画タイトル:この胸いっぱいの愛を 監督:塩田明彦  space106   

(スタッフ)

プロデューサー=平野隆

共同プロデューサー=下田淳行 久保田修

原作=梶尾真治「クロノス・ジョウンターの伝説」

脚本=鈴木謙一 渡辺千穂 塩田明彦

撮影=喜久村徳章

美術=新田隆之

音楽=千住明

録音=井家眞紀夫

照明=豊見山明長

編集=奥田浩史

助監督=毛利安孝

(コメント)
 少し前に「黄泉がえり」をテレビで見ていたので、なんとなく興味があった。そして、未見だが、同監督の「害虫」「カナリア」が話題になっていたことなども思い出していた。

 門司が舞台になっているだが、門司という場所にあまり意味が感じられない。主人公にとっては、こども時代を過ごした思い出深い地方都市である。この地に縁がある何人かが、同じように20年前のこの門司にタイムスリップし、それぞれのドラマに立ち合っている。主人公は旅館を営む祖母の家に預けられていた小学生のじぶんに出会い、同じ部屋に暮らすことになる。好きだった「和美姉さん」に再会する(「和美姉さんはまだ生きていた。」)。映画は、タイムスリップしいるじぶんたちは同じ飛行機事故にあって死んでいるいるということがわかっていく。病死した「和美姉さん」が、じぶん人生でかけがえのない人だったことを強く感じる。和美姉さんの運命を変える。

 この映画を見たあとすぐに、ネット・リュミエールに「この映画では、20年前にタイムスリップしたことで、「和美姉さん」への想いを確認する。さらに死と向かい合って生きることの意味を重ねる。」(2005.10.25)と書いた。

 バイオリニストとして活躍する夢を断たれ絶望する「和美姉さん」に、うまくいっても大きな障害が残るという手術の道を選ばせる。この映画はすべての人間を肯定し「生き延びる思想」を切実に語っているし、話としての面白さはあるのだが、運命を変えるのはルール違反だと思う。(2005.10.31)

(キャスト)
伊藤英明
ミムラ
勝地涼
宮藤官九郎
富岡涼
吉行和子
愛川欣也
中村勘三郎
古手川祐子
倍賞千恵子

公開年月日:2005.10.8
カラー/35mm/130分

映画館:キネカ大森

           

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