（スタッフ）

製作＝「フライ,ダディ,フライ」製作委員会

製作＝坂上順　黒澤満

配給＝東映

企画＝遠藤茂行　藤島ジュリーK

プロデューサー＝天野和人　國松達也　渡辺敦

原作・脚本＝金城一紀

撮影＝仙元誠三

照明＝渡邊孝一

美術＝小川富美夫

音楽＝安川午朗

主題歌＝Mr.Children「ランニングハイ」

録音＝柴山申広

編集＝川島章正

（コメント）
　平穏な家族の様子から、一転して、娘が、獰猛な超高校級ボクサーに暴行を受けた事実を知った父親の衝撃と変化、そして、強圧的に示談に応じさせようと脅されるシーンまでは、これはなかなかの傑作かなと思わせるぐらいの充実した緊張感ある映像を見せる。（撮影・仙元誠三は、大島渚監督の「少年」、村川透・松田優作コンビの一連の作品などを手掛けているという記憶がある。）このまま、別の映画になってもよかったとも思うが、また意外な展開を見せる。

　普通のサラリーマンが娘を暴行した凶暴な男と闘うため、一夏、身体を鍛えるという話になっていく。このサラリーマン役が堤真一、鍛える高校生役に岡田准一。なかなか話は面白くよくできている映画だと思うし、大空に羽ばたいていくという父親のイメージも悪くない。

　また、バス通勤仲間も知らずす知らず応援しているという話も楽しめたし、進学高に対抗する劣等生が集まる男子高というのも悪くはない。しかし、始まりは傑作と思わせた勢いはどうも萎えていった印象は否めない。仕掛け人でもある、堤を応援する男子高の生徒たちが、どうも嘘っぽいというか、その訓練も、対決も劇画漫画だよなと思える。愛することの優しさや生きていることの本当の怖さはまでは描かれててはいない。（2005.11.28）

（キャスト）
岡田准一
堤真一
松尾敏伸
須藤元気
星井七瀬
愛華みれ　
塩見三省

公開年月日：2005.7.5

映画館：TAMA映画フォーラム第15回映画祭／パルテノン多摩小ホール