（スタッフ）

製作＝「メゾン・ド・ヒミコ」製作委員会（アスミック・エース　エンターテイメント、IMJエンタティメント、日本テレビ放送網、S・D・P、カルチュア・バブリッシャーズ）　　

配給＝アスミック・エース

プロデューサー＝久保田修　小川真司

脚本＝渡辺あや

撮影＝蔦井孝洋

美術＝磯田典宏

照明＝疋田ヨシタケ

録音＝志満順一

編集＝阿部瓦英

衣装＝北村道子

音楽＝細野晴臣

（コメント）
　犬童一心監督「ジョゼと虎と魚たち」（2003）を録画で見て感心していたことや、オダギリ・ジョーの「血と骨」での演技や予告編で見た柴咲コウのすっぴんで投げやりなか感じなどにも興味が持たれ、大いに期待して見た。

　いま日本映画を続けて見ると尻取りが出来るぐらいに同じ俳優が出てくる。それは期待され魅力もあるということなのだろう。そして、ふたりとも他の映画とは違った役柄を演じるのだが、それぞれ興味深く演じわけている。柴咲の父親でもあるゲイ役の田中泯をはじめ、老紳士然とした柳沢真一など個性的な役者が揃っていて悲喜こもごもの人生の哀歓を垣間見せてくれる。

　犬童監督としては「ジョゼ」で肢体不自由の障害もつ若い女性の純愛とエゴを描き、今回は、年老いていくゲイたちの哀歓というように、社会のマイノリティを中心に据えた映画をつくって成功している。そして、それは優しさだけではなく冷静なまなざしで残酷な現実に遭遇させながらも、誰もがあたりまえに生きていることにうまく繋げていくところがいい。また、さらに、この映画では、ゲイなどの性的嗜好や異性間のセックスも越えて、人間の愛のようなものとして「喜び」や「楽しみ」が共有され得ると語っているのだと思う。

　だから、この映画を見てうまく自由なれるといいんだよね。眉間に皺を寄せ、ぶっきらぼうな返答しかしない柴咲コウで終わらないラストがいい。古い歌が効果的に使われていた。音楽は細野晴臣。（2005.11.30）

（キャスト）
オダギリジョー
柴咲コウ
田中泯

公開年月日：2005.8.27

映画館：TAMA映画フォーラム第15回映画祭／パルテノン多摩小ホール