（スタッフ）　　

製作総指揮＝荒戸源次郎

プロデューサー＝村岡伸一郎

エグゼクティブプロデューサー＝前田章紘

原作＝花村萬月

脚本＝浦沢義雄

撮影＝大塚亮　

美術＝金勝浩一

照明＝館野秀樹

録音＝阿部茂

編集＝奥原好幸

音楽＝千野秀一

スーパーバイザー＝羽仁未央

（コメント）
　昨年から上野公園・東京国立博物館内につくらた「一角座」に出掛け、この映画「ゲルマニウムの夜」を見るということを、ときどき思い出しながら、とうとう最終日が間近だという情報を持って、この8月11日に見ることになった。天気のよい夏休みの真ん中ということもあってか、平日にも関わらず、上野公園の人出は多く戸惑う。しかし、この「一角座」周辺は閑散としていた。

　さて、映画だが感心できなかった。それは、この映画で語られる「神」が、あまりに安っぽく感じられたことだ。佐藤慶の神父に重さが感じられないこと、そして、主人公が実は神にいちばん近い存在だいわれるのだがわからない。ただ、見終わって、ラストにあるユーモアが、実は全篇に流れていたということか、なるほどなとも思わせるのだが、それは、神父・石橋蓮司の存在を笑い飛ばすユーモアなども含め映画として、うまく表現されていないのだと思う。雪解けのぬかるんだ地面などの自然や俯瞰でとらえた大胆なセックスシーンなど画面を大きく見せる力など映画的な魅力は感じられた。次回作を期待したい。（06.8.11）

「映画って大きく分けると2種類あると思っている。一つは感情移入して見る映画。もう一つは、感情移入出来ないまでも、一つ一つの絵に対して、驚きというか、目撃者になれる映画。で、今回は後者を作ろうと。」（大森立嗣監督インタビュー）

（キャスト）
新井浩文　
広田レオナ　
早良めぐみ
石橋蓮司　
佐藤慶
大森南朋
磨赤兒


　

公開年月日：2005.12.17

上映時間：107分

映画館：一角座（上野公園・東京国立博物館）