（スタッフ）

製作国＝日本

製作＝蛇イチゴ製作委員会（テレビマン・ユニオン）

プロデューサー＝是枝裕和

脚本＝西川美和

撮影＝山本英夫

音楽＝中村俊（カリフラワーズ）

録音＝鶴巻仁

美術＝磯見俊裕

編集＝宮島竜治

（コメント）
　
　テレビマン・ユニオオンの現在が、どうなっているのかよく知らないが、映画製作では、「幻の光」(1995),「ワンダフルライフ」(1999)の監督として是枝裕和がいる。今回はプロデューサーの役割を担っている。また、女性監督ということでは、「幻の光」の企画・プロデューサーだった合津直枝が「落下する夕方」（1998）を監督し、この映画の西川美和も女性の新人監督である。映画をつくる展開としてはうまくまわっているように見える。

　さて、映画だが、まず、この音楽なら、もっと映像が過激でなくてはならないと感じながら、ああ英語字幕が邪魔だよと思い、うまくノレなかった。しかも、母親役が、不覚にも、大谷直子だと思って見ていなかったので、中程で大谷直子とわかったことや上映途中の中段もあって、本当は最初から見直したい映画ではある。

　妹役のつみき・みほは、まじめな「教師」役なのだが、この婚約者も含めて、まとも過ぎて、どう突っぱねてみたらいいのか迷うし、宮迫にも同情も感情移入もできないが面白くないかといえば面白い。
　大谷直子の怪演・好演もあるので、そこから見るということもできるが、痴呆が入っている祖父の存在と死。祖父役の笑福亭松之助の怪演もありで、うーん、この映画は、なかなか一筋縄ではいかない。
　父親（大泉成）だってどこにもいそうだが、娘の婚約者が帰ったあとにいう本音が、「リアル」でドキッとさせられる。しかし、だからどうしたっていう感じだし、ラストがすべてを引っくり返す結末であっても、今回見た限りでは「どうして、まさか」というリアクションであり嘘だとしか思えない。見るものを混乱させる。そんな映画なのだが、どうもいい観客にはなれそうもない。（2004.3.10）


　
　


　
　

（キャスト）

宮迫博之　
つみきみほ　
大谷直子　
平泉成　
寺島進

公開年：2003

映画館：第２５回ヨコハマ映画祭・関内ホール