（スタッフ）

製作国＝ドイツ

製作＝ヴュステ・フィルムプロダクション

共同製作＝　北ドイツ放送/arte　コラソン・インターナショナル

製作＝ラルフ・シュヴィンケル　シュテファン・シューベルト

脚本＝フアティ・アキン

撮影＝ライナー・クラウスマン

美術＝ターモ・クンツ

衣装＝カトリン・アシェンドルフ

音楽＝クラウス・メック

編集＝アンドリュー・バード

録音＝カイ・リューデ

（コメント）
　ドイツにおけるトルコ人の置かれている状況が、うまく飲み込めていないまま、この映画について語るという不安があるが、この映画の衝撃はそのまま受け取るしかない。見る前に思っていた映画とはまったく違っていた。強烈にハードで凄惨でかつ愛おしい映画になっている。初めは偽装結婚からはじまった。だから、「愛より速く」走り出したジベルは自由気儘な生活したいし、セックスだって好きなとき好きな相手としたい、と計画的に貯金までして実行に移す。だから、相手は誰でもよかった（親を安心させ信じさせるにはトルコ系がいいと）。男ジャイトは、麻薬もやるし一日中酔っている。車で自分で壁に激突するなど自暴自棄も徹底している。二人の生活の傍若無人ぶりは誰の手にも負えない。近づいたら誰だって怪我するよ。
　ただ、それぞれに魅力はある。やがて、ある日、二人はパンクロックに合わせて踊りまくって意気投合し激しいセックスで結ばれる。ジャイトはジベルを愛し始めていた。
　そんな折りに、ジベルとの関係を持ち未練を残す男が、ジャイトに酒場で絡んで殺されるという事件が起きる。ジベルの親たちは泣く泣くジベルを勘当する。ジャイトは刑に服しジベルは待っていると告げる。正直に言って、ここまではこの映画の評価は半信半疑だ。
　しかし、ジベルが信頼を寄せる従姉のキャリア・ウーマン（セルマ）を頼ってイスタンブールへ飛んでからの映像が、タイトで生き生きし内容も過激に凝縮される。セルマの生き方を否定し彼女の部屋を飛び出す。知り合った男からも見捨てられ夜中の街を疲れきって彷徨い歩く。からかう男たちを見過ごせない。闘うジベルは、終いに腹を刺されて血みどろで路上に倒れる。
　それから何年か経過する。刑期を終えたジャイトはイスタンブールのジベルに会いにくる。お互いの愛をセックスを繰り返し抱き合って確かめ合う。ジャイトはトルコの生まれ故郷に誘う。しかし、現在ジベルには可愛いい子供と夫が居る。（05.6.15）

（キャスト）
ピロル・ユネル（ジャイト・トムルク）
シベル・ケキリ（ジベル・ギュネル）

製作年：2004

ドイツ映画祭2005
「映像の新しい地平　特別編」2005.6.4-12
有楽町朝日ホール