（スタッフ）

製作＝日活

企画＝茂木了二

原案・脚本＝今村昌平

撮影＝藤岡条信　

音楽＝黛敏郎

美術＝中村公彦

照明＝森年男

編集＝中村正

助監督＝浦山桐郎

（コメント）
　どうも、柳沢真一に面白みが感じらなくて笑えなかった。しかも、フランク永井のこの「西銀座駅前」という歌がヒット曲なのだろうが、全く面白くない歌にしか聞こえない。山岡久乃と西村晃たちの、勢いのあるテンポある早口の台詞とのんびりした男・柳沢の台詞の対比の妙なのだろうが、これもなんだか笑えないし、女とふたりで南の島に漂流し、俄然、精彩を放つという話も。

　新たな女性像と戦争の後遺症として妄想に耽る男の話。妻と子供たちが海に出掛ける間に、悪友の獣医、西村晃に誘われ、銀座のバーなど遊びまわる。かなり痛快にテンポよく走っているのだが。うーん、何度も出てくる男の妄想のつまらなさと映画の流れをブツブツ切ってしまう進行係のフランク永井の登場も逆効果か。この映画は、当時は斬新なものとして受け入れられたのかな。どうもうまく波長が合わなかった。家族の旅行先の海の最寄り駅として「しょうなん」と書かれたプラットホームが出てきたのはおかしかった。（2005.9.21）

（キャスト）
フランク永井
柳沢真一
山岡久乃
山根恵子
西村晃
小沢昭一
初井言栄

公開年月日：1958.7.29
白黒／シネマスコープ・サイズ／３５mm／52分

映画館：川崎市民ミュージアム「今村昌平の世界」