（スタッフ）

製作総指揮＝ウォルター・Ｆ・パークス/ポーリー・マクドナルド

製作＝ダグラス・ウィック/デビッド・フランゾーニ/　ブランコ・ラスティグ　

原作＝デビッド・フランゾーニ

撮影＝ジョン・マシソン

音楽＝ハンス・ジマー/リサ・ジェラルド

衣裳＝ジャンティ・イェーツ

視覚効果スーパーバイザー＝ジョン・ネルソン　

編集＝ピエトロ・スカリア

（コメント）

○リドリー・スコットは、「エイリアン」（79）で、シガニー・ウイーバーが扮するリプリーという女性像を生み出す。

「エイリアン」は、その後、有望な若手監督に引き継がれている。「エイリアン２」（86）では、あの「タイタニック」（97）のジェームズ・キャメロンが監督、キャメロンには、その前に、「ターミネーター」（84）があり、91年に「ターミネーター２」がつくられる（ここでのリンダ・ハミルトンが扮するサラの活躍は、「エイリアン２」のシガニー・ウイーバーに重なる）。

さらに、「エイリアン３」（92）では、当時２７歳のデビット・フィンチャー監督が映画デビュー、「セブン」の監督。）

○「テルマー＆ルイーズ」（91）では、女性二人組の銀行強盗を痛快にハイウエーを疾走させ、女性の生き方を映画の夢にだぶらせて描いていた。その２年前に、高倉健、松田優作などが出演し、日本ロケも行われた「ブラック・レイン」を撮っている。

もう少し、監督の他の作品を調べると、ＳＦものの傑作といわれる「ブレードランナー」（82）、「白い嵐」（96）、デミ・ムーア主演の「ＧＩジェーン」（97）などがある。

○リドリー・スコットに少しでも近づけたら、と調べているうち横道にそれた。今回の映画を私なりにいえば、未来のＳＦものから、舞台をシーザーのローマ帝国時代に移し、数奇な運命と壮絶な闘いを用意し、家族愛をテーマに、愛すること愛されることの難しさを描く、大スペクタル映画であるといえよう。

主人公マキシマスが家族の待つ故郷、我が家へ帰還するイメージが繰り返し、見せられるとともに、幻想的に美しくも、死へのイメージも重ねられている。コモドウスの姉が、弟の横暴を恐れながらも、王位継承の第２位の立場にある「息子」を守ろうとする姿勢と強さは、「エイリアン」「ターミネーター」の女性像に重なる。（2001.2.2）

（キャスト）

ラッセル・クロウ
ホアキン・フェニックス
コニー・ニールセン　
オリバー・リード

製作年：2000

映画館：横浜日劇

�ﾏこの年（2001）のアカデミー賞の作品賞など5部門を受賞する。
最優秀作品賞
主演男優賞 （ラッセル・クロウ）
最優秀衣装デザイン賞
最優秀音響賞
最優秀視覚効果賞

�ﾏ監督賞は「トラフィック」のスティーブン・ソダバーグが受賞する。わたしには、「エリン・ブロコビッチ」（これも、監督賞にノミネート）が面白く、「トラフィック」にはうまくのれなかっただけにこの結果は複雑である。ただ、この「グラディエーター」に監督賞ではないということも納得するとして、さて、すると、リドリー・スコットが監督賞を受賞する機会はないということかとも思えた。その後、「ハンニバル」page23　ハンニバル01.8.3も、ちょっと期待したが、良くなかったし、「ブラックホーク・ダウン」は、2002年アカデミー賞でも監督賞にノミネートされたが、この回では「ビューティフル・マインド」のロン・ハワード監督が受賞している。こうなると、映画の夢をきちんと描ける監督であるリドリー・スコットに、次回では、是非監督賞がとれたらいいと応援したくもなる。（2002.8.25）